鹿児島県東串良町にUターン移住して、実家の酒店を継業した話[児玉憲介さん@児玉酒店]
こんにちは。移住支援コーディネーターです。
鹿児島の方言に「だれやめ」という言葉があります。
「疲れ(だれ)を、止め(やめ)る」。
焼酎の晩酌で、心身の疲労を回復して明日の活力を養おう。
鹿児島の人たちの、焼酎に対する思いが感じられる言葉です。
今回は、一昨年東串良町にUターン移住し、実家の酒店を継業した児玉憲介さんにインタビューしました。
(この記事は、広報東くしら(令和3年1月号)の記事を、note掲載にあたり加筆・編集したものです)
港町の風情が感じられる柏原地区。
焼酎の甕が並ぶ店先から中に入ると、藍色の前掛けを着けた児玉さんが、手慣れた様子で一升瓶の二本縛りを作っているところでした。
暮らしの中にある焼酎
「たとえば、都市部でのお酒の飲まれ方は毎日変わる『おかず』のように、種類も銘柄も様々なのですが、鹿児島での飲まれ方は『ごはん』に似ていると思います。
いつも同じ銘柄で、好みの水加減まで決まっている方がほとんどで。本当に距離の近い、鹿児島に欠かせない存在だと感じています」
経験から生まれる接し方
「十年あまり勤めた酒造会社で実際に焼酎をつくっていた経験や、若い頃の営業経験で学んだ人との接し方が、今の自分の大きな基礎になっていると思います。
お酒を扱う側にとっての数多くの中の一本が、選んだお客さまにとっては特別な一本という意識を大切にして、自信をもってお届けできる対応を心がけています。
今後は、人と直に接することを基本にしながら、県外へも焼酎を発信していくことが目標です」
焼酎の魅力。素材から伝わるやわらかい旨味。
「ビール、日本酒、ワイン、それぞれのお酒にそれぞれ魅力がありますが、私が思う焼酎の魅力は、原料になる素材からのやわらかい旨味です。
飲み方のおすすめは、お湯を入れたグラスに焼酎を注ぐ『お湯割り』で、生のままで飲むより、さらにやわらかい口当たりになります。
これからの寒い季節は特に、お湯割りの晩酌で、身も心もほっとして一日の疲れもほどけていくような、ゆったりとした時間を味わっていただけたらと思います」
人と関わる中で、商品とともに届けたいもの
「お客さまとは一期一会。常に『ありがとう』と思ってもらえる仕事を」と語る児玉さん。
その丁寧な物腰から、人との関わりをとても大切にしていることが伝わってきます。
年末に向けて忙しくなりがちな時期ですが、今夜は、児玉さんおすすめの、焼酎のお湯割りを片手にくつろいでみてはいかがでしょうか。
児玉酒店
鹿児島県肝属郡東串良町川東3916
0994-63-8276