“ローカル×ORIGAMI×首都圏の高校生” まちの政策アイデアコンテストに参加した生徒から交流の提案をいただき、実際にやってみた話。
こんにちは。移住支援コーディネーターです。
あなたが、最後におりがみを折ったのはいつでしょうか?
昨年度のまちの政策アイデアコンテスト「東串良SUMOU!!チャレンジ(※)(以下スモチャレ)」に参加した、加賀山七菜さん(横須賀学院高等学校3年)から、地域間交流の提案をいただきました。
今回は、この加賀山さんの提案が、東串良町で実現するまでの様子をご紹介します。(なお、掲載に当たりご本人並びご関係者のみなさまのご了承をいただいています)
※「東串良SUMOU!!チャレンジ」について
提案の背景
加賀山さんは、昨年度のスモチャレに参加し、1月場所で上位入賞を果たしました。東串良町とはこの企画がきっかけで関わりを持ちました。
(総務省では移住人口の手前にある、地域への新しい入り口「関係人口」と表現しています)
相撲にちなみ、みなさん自分で力士名をつけて参加します。加賀山さんは「ビタミンC」関でした。
また、ヨーロッパで生活していた幼少期の経験に基づき、おりがみを通しての交流とおりがみの持つ可能性についてJICA(独立行政法人 国際協力機構)のエッセイコンテストにおいて国際協力特別賞を受賞しています。
・横須賀学院高等学校ホームページ
JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2020において3名が受賞
そんな背景もあって今回、加賀山さんから「東串良町のみなさんと折り紙を使った交流がしたい」とのご提案をいただきました。
本来なら、町に来ていただいて対面でのイベント開催と言いたいところですが、8月13日に「鹿児島県緊急事態宣言」が発令、続く17日には「まん延防止等重点措置」の鹿児島県への適用という流れもあり、オンラインを活用してリモートで実施しました。
また、今回の企画のために新たに人を集めるのではなく、既に人がいる場所(学童保育)で実施するなど感染症対策に配慮しています。
「折り紙で想いを伝えよう」
ハートの折り紙を作って、中にメッセージを書いて、大切な人に渡そう。
という趣旨の企画ですが、お子さんたちとオンラインを通じてやってみるのは加賀山さんも私たちもはじめてです。
何度も打ち合わせや調整をしたものの、ちゃんとうまくいくのだろうか……という、緊張と不安もありながらスタートしました。
2021年8月24日(火)
青葉保育園の青葉豊栄児童クラブ(東串良町放課後児童健全育成事業)。
参加者は学童保育の小学校3~6年生のみなさん。
地元のテレビ局MBCや南日本新聞社などが取材しました。
約900km離れた横浜から、鹿児島県東串良町へのオンラインです。
はじめは、カメラ越しでのコミュニケーションということで少しぎこちない雰囲気もありましたが、すぐにリラックスした楽しい空気になりました。
画面越しなので、ゆっくりとわかりやすく、ハートの折り方を説明。
伝わりにくい場合のフォローもばっちりです。
身近な人への想いをメッセージに書いて、折りたたみます。
お子さんたちの折り紙やオンラインコミュニケーションに順応するスピードはとても速くて、子どもは希望と可能性のかたまりなんだと感じました。
完成したら、折り紙とメッセージを見せてお話しします。
(お子さんにわかりやすいように、カメラのレンズ周りを目立つように飾りつければ良かったかもと、少し反省しています)
その後は、質問に答えたり、横浜や折り紙について紹介しました。
手に持っているのは、折り紙で作った肉まんです。
最後に、折り紙が好きになりましたか? との質問にお子さんたちが答え、「折り紙で想いを伝えよう」という約1時間の企画は終了しました。
感想
この後、加賀山さんには地元メディアからオンライン取材があり、鹿児島や東串良町に対する思いや今後の期待、また、可能であれば実際に東串良町に行ってみたいなどの感想をいただきました。
『最初は子供たちに楽しんでもらえるか不安だったんですが、思ったより楽しんでもらえて、最後も「折り紙が好きになった」って言ってくれて。
開催していただいて本当に良かったな、と思っています!! ありがとうございました。
元々地域での活動とか異文化との交流に興味があって。そういう人と人との交流を大事にしていたので、そんな思いを広めたくてスモチャレに応募しました。
子どもの頃は海外に住んでいたので、西洋では珍しい「折り紙」には良く助けられていました。
カードを贈る習慣があるので、カードの代わりに折り紙の中にメッセージを書いたり、言葉がしゃべれなくても交流ができます。
紙1枚でできる、折り紙のすばらしさが伝わればと思っています。
もしできるなら、こういう会を今後も開きたいです。
東串良町に住む在留外国人の方と交流したり、折り紙を通じて東串良町に住む方同士で交流を深めてもらえてもうれしいです。
不安ばっかりだったんですけど、楽しんでくれて本当に良かったです。
ありがとうございました!』
海外で暮らしていた頃、友達からもらった折り紙を広げる加賀山さん
おわりに
移住支援コーディネーターとして、地域に関わっていると色々なことを感じ考えさせられます。
今回の企画は、まちと都市部との新しい関係性の第一歩と呼べるものだったと思います。
現代の人口減少社会において各地域が自然増はもちろん、社会増に向けた様々な施策を実施し、人々は環境の変化やテクノロジーの進歩に合わせて、新しい生活スタイルや地域とのかかわり方を選択していきます。
そうなると、交流や発信、住民幸福度などの重要性は年々高くなり、今後もますます高くなっていくのではないでしょうか。
今回、ご提案いただいた加賀山七菜さんをはじめ、この企画にご協力ご調整いただきましたみなさま、誠にありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。