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移住して知った鹿児島の焼酎文化の話②「黒千代香、芋、麹」 

こんにちは。移住支援コーディネーターです。

トップの画像は、お茶を入れる時の急須にも見えますが、焼酎に関わる道具で、黒千代香(くろぢょか)、と言います。

居酒屋さんの店名になっていることもあるくらいで、鹿児島の文化と伝統に深く根ざしている道具だと思います。

本当は現地にお越しいただいて、鹿児島の焼酎文化を体験していただければと思うのですが、時節柄、なかなか鹿児島に訪れるのが難しい状態が続いています。

ですので、せめてご自宅で鹿児島に触れる機会になればと思い、今回の記事を作成しています。

前回に引き続き、もっと鹿児島に親しみたい方や、より焼酎を楽しみたい方のご参考になれば幸いです。

[移住者目線のかごしま豆知識]
かごしまの郷土料理のひとつに「鳥刺し」があります。

とり肉を皮付きのまま表面をあぶって薄切りにした「たたき」で、スーパーでもたくさん売っていますし、居酒屋などでも人気の定番品です。


(前回の記事はこちらです)



プロに聞いてみた。

というわけで。今回も、東串良町へのUターン移住者で、十年あまり勤めた酒造会社で実際に焼酎をつくっていた経験をお持ちで、100年を超える歴史のある児玉酒店の三代目、児玉憲介さんに詳しいお話をうかがいました。


(以前、児玉さんをご紹介した時の記事はこちらです)


前回は、あらかじめ焼酎を水で割っておくことで、より味が柔らかくなる「前割り」を教わりましたが、さて、どうやって飲みましょうか。

児玉さん、お願いします!

前割りの飲みかた

「こちらこそ、よろしくお願いします。

 水割りで飲みたい場合は、冷蔵庫から出した前割りを、氷を入れたグラスに注いでいただければokです。
 これだと、毎回水割りを作らなくていいので、手軽に楽しめます。

 お湯割りで飲みたい場合は、黒千代香に入れて、弱火にかけて温めるのがおすすめです。(土鍋と同じで強火だと割れてしまうことがあります)

 黒千代香がない時は、焼酎を入れたコップを鍋に入れて湯煎するのが良いと思います。
 強すぎる熱は焼酎の風味を飛ばしてしまいますので、やさしく温めるのが良いですね」


なるほど。焼酎の柔らかさを引き出すには、陶器とやさしさが大切、と。

あと、かごしまの芋焼酎って、本当にたくさん種類があります。
焼酎を選ぶ時なんですが、原材料に使われている芋の品種って気にした方がいいですか?

原材料について

「たしかに、使う芋の種類で味は変わります。

 でも、芋焼酎の味を決めるのは芋だけではありません。
 どんな麹(こうじ)を使うのか、蒸留の方法といった、他の原材料や製法も大きく関係します。

 芋と麹にはこんな特徴がありますが、あくまで目安なので、焼酎それぞれの味の違いを楽しんで欲しいです」


芋による特徴

・黄金千貫(コガネセンガン)
 芋焼酎に使われる代表的な品種で、豊かな香りが特徴です。

・安納芋(アンノウイモ)
 ほんのり甘く香る、飲みやすい味の焼酎になります。

・綾紫(アヤムラサキ)
 華やかでフルーティーな香りと、すっきりとした飲み口が特徴的です。


 麹(こうじ)による特徴

「『香り引き立つ白麹、味わい深い黒麹』という表現もされたりしますが、わたしの個人的な感覚では、ラーメンの違いに似ています。

 白麹があっさりで、黒麹がこってり。だと思って頂けると、わかりやすいかと思います」


一番のおすすめは?

「焼酎の魅力のひとつに、いい意味で敷居の低い、親しみやすいお酒ということがあると思います。

 また、飲み方が色々と選べるお酒なので、気分や季節に合わせてつき合い方も変えることができるので、こうでないとダメ、ということはないです。

 かごしまでは『よかげん(=良い加減)』という言い方をしますが、ひとそれぞれの『自分の好みに合う飲み方』を探していただいて、好みの焼酎を楽しむのが、一番のおすすめですね」

ありがとうございました。

まだまだ寒い日が続きます。ご自宅で「だれやめ」いかがでしょうか?



東串良町産の新米で米麹を作り、東串良町産のさつま芋「黄金千貫」を用いた、限定焼酎『小鹿の郷』。
東串良町のふるさと納税の返礼品にもなっています。


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